FRICTION 楽しめよ、だけど殺しちゃうぜ
■ インタビュアー 末次里志氏、EX、1996年9月号
■(インタビューを含めた記事より、レックの発言部分を掲載)
■ インタビュアー 末次里志氏、EX、1996年9月号
■(インタビューを含めた記事より、レックの発言部分を掲載)
俺の場合、演奏してて、そこに人が来てれば「楽しんでくれ」というのもあるし、「殺しちゃうぞ」というのもあるわけだ(笑)。両方あるんだよな、うん。 ジミヘンも言葉を借りれば「リズムとモーション」なんだよね。俺の場合、音楽をやる時にメロディーではなくってさ、そのリズムとモーションが大事なんだよ な。俺はクルマを運転出来ないんだけど、100キロとか150キロのスピードで走ってて急カーブを曲がるとかね。あるいは勾配があって、立体的にも変化し たりする。コトバで言うとそれなんだよな。それが俺には気持ちいい。FRICTIONは今はとりあえず3人なんだけど、それを出したいと思って失敗した り、成功したりしてるわけだ。 別にトリオにこだわってるわけじゃないよ。キーボードの音とかパーカッションの音が浮かんでいるんだけど、かえってそういうミュージシャンを雇おうとは思 わない。イマイにしても(若いという)年齢がポイントではなくって、同じくらいの歳でも出来る人がいればそれで構わない。俺は今46(歳)なんだけど、要 は俺があいつらに何をあげられて、あいつらから何をくれるのかってところでやってる。音を出せばそいつが今、何を観ててどんなことを考えてるかというのが 全部出ちゃうからね。 だから、融合と対立っていうのは違うモンじゃなくてね。音を出してる時は同時にあると言うか・・・昔でもメンバーが喧嘩してる時に録った音の方が、後で聴 いて面白いとか。そういうことは往々にしてあるみたいだな。じゃなければ近藤(等則)さんとはやってなかったと思う。向こうはジャズ畑だし、俺はロックン ロールでやってきたわけだからさ。要は、YES/NOがはっきりしてるというか、近藤さんと演った時は意外とそれがはっきり見えてたから面白かった。なん か気持ちよかったんだろうな。近藤さんは俺のこと、「シティボーイ、シティボーイ」って読んでたけど(笑)。 俺の場合は常に「edge」というコトバが大切で。音楽でも何でも俺は、エッジがないものはつまんないと思ってる。 (サンタナのインタビューから) あの人は日本にもよく来てて「日本のミュージシャンは皆うまい」と。「だけど一つ足りない」って。それは土曜の晩に向こうでは皆、週末のパーティーとかに 出かけるじゃない。その時に友達もいなくて一人で部屋にいたりする時の、「その感じがないんだ」みたいなことをサンタナが言ってたわけよ。 俺が思うに、それを自分を一人でキープ出来る力みたいな。多分そういうものだと思うんだけれども・・・それは孤独感なのかもしれないし、それをどうにかす る力というのかな。俺は勝手にそういう風に捉えたんだけどね。日本人はなんかこう、すぐ人と一緒になってしまう、という感じがあるじゃない。それはミュー ジシャンについての発言なんだけれども、やはり「edge」というのもそういうところからしか出てこないのかもしれないな、と思うしね。 (Zone Tripperの由来について) あれは俺が作った言葉じゃなくて、「ハード・ウェア」という映画を観ている時にパァーっと入ってきた言葉なんだ。要するに頭ん中がいちばん動くというか さ。映画の訳(字幕)には「ゾーン・トリッパー」とは出なかったし、確か「旅人だよ」みたいな訳だったけれども。最初は、「音」として入ってきたんだよ な。トリップするというのは昔からあったし(笑)。実際旅もしたし。やっぱ旅している時って、ある種の快感があるじゃない。もちろん生活はあるんだけれど も、一つ所にいるんじゃなくて。あの感覚が基本的に好きで。昔はよくヒッチハイクもしたしね、うん。今でもトラック見ると助手席に乗りたくなったりして (笑)。あの感じが好きなのかもしんない、旅とかトリップとか。 |
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