2011-05-27

フリクション/1985記事:Punk On Wave may-june 1985 vol. 1

SPILT・ WORDS・RECK (Picked up by SAKEVI)
■Punk On Wave may-june 1985 vol. 1(レックの発言部分を掲載)

 俺が"パンク"という言葉をあえて使うならば、それは精神だと思う。それは音楽じゃなくていいと思 う。とにかく俺はその頃はね、やりたい事をやる。いいたい事を言うっていう事が"パンク"って言葉で呼んでもいいんじゃないか?っていう風に感じていたん だけど。それは変らないよね。そうすべきだと思う。
ただ、俺が一番感じるのは、例えばロックにしてもパンクにしても、音を一人じゃなくて、まあ、バンドっていうの
は他者がいるわけでしょ。そこでさ、ぶつかり合えるさ、存在じゃないと生まれる物がないと思う。とにかくそこの中で…・。とするとさ、日本人っていうの は、まとめる方向に絶対行くと思うの。っていうのは相手の気持ちを、やっぱりすごく考えるんだよ。それはどうしようもないの。もう。
俺もニューヨークに行く迄は、向うのニューヨークのミュージシャンっていうのは昼アルバイトして、夜バンドをやってると。で、俺もアルバイトしてバンドを やってると。俺は同じだなと思っていた。で、同じなんだっていう事で勇気づけられたりするじゃない。で、行ってみると同じなんだけど全然違うわけだ。って いうのは、風土も、社会全体も違うでしょ。だから同じ様にアルバイトしてバンドやっていたって、全然違う事なんだよね。例えば、本屋でアルバイトしている 奴がいてさ、そいつは仕事をする自分の机を持っているんだけど、その机の周りに自分のバンドのポスターをベタベタ貼りまくってるしさ。その辺でも違うで しょ。だからさ、そういう意味で今、日本っていうのは、ゴッタまぜになってるよね。だから向うの物っていうのを頭で知ってるし、すごい知ってるでしょ。だ から俺が一番思うのは向うの事、とにかく知ってる訳じゃない。そういうバンドにしろ何にしろ、知ってるけど、そいつらがどんな風に暮らしているかとか、そ の土台っていうのはイギリスという国であるし、もっとその地域でもあるんだけどさ。そこは知らない訳じゃん。身体でさ。だからやっぱり知りすぎちゃってん だよね。情報としては色んな事を。だからかえって自分の足元が見えてないって感じするよね。

俺が思うのはさ、結局知らない訳だから、情報が入ってきて、ま、すごいなぁとか、カッコイイなぁとか思って自分でもそういう風にやってみたりしてね。だ けど向うでは現実に違う訳だから結局。だけど俺はそれでもいいと思う訳だ。それでもやっちゃえばね。だからとことんやっちゃえば、見えてきちゃうのから さ、変わっていくと思う訳。絶対、だから、やんないよりか、とにかくやっちゃう方がいいと思う訳。で、やってるうちにさ、とことんやってく奴は見えてき ちゃうから変わっていくと思う訳ね。やっぱおかしいとか、なんか居心地悪いとか、これは違うなとかさ。だから何もやらないよりは、絶対やった方がおもしろ い。俺自身そうだからさ。
だから最初はその子供達が、たとえばローリングストーンズをやりたいなって言ってやってみる。全然悪くないもんね。ただその後は、あとはそいつ次第だからな。どこまでやっていくのかっていうのはさ。ただやめていく奴が殆どかもしれないけれど。

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