FRICTION 複雑骨折した日本を生き抜くために
■ インタビュアー 小林 由明氏、DOLL、掲載号不明(90年頃)
■(インタビューを含めた記事より、レックの発言部分を掲載)
■ インタビュアー 小林 由明氏、DOLL、掲載号不明(90年頃)
■(インタビューを含めた記事より、レックの発言部分を掲載)
俺個人としてはビデオを撮るからといって別に意識はしなかったけれど、撮影スタッフが、映画の人達は 組っていう からその石井組がさ、人結構いたじゃない。それでみんな気合はいって動いていたよね。そういうのとか、伝わって きてよしという気持ちになったみたいだよ。そういった空気というか、伝わってきてよしという気持ちになったんだ ろうね。ボルテージが高いのはそういうのの相乗効果がいいカタチで生まれたからじゃないかな。 ビデオの絵に関しては、全部任せてしまおうとおもっていたからね、編集のときに顔をだしたのは1回か2回、位だ ったと思うな。俺は音のミックスやってたけど、大変だったな。ビデオのほうはもっと大変だったみたいだね。専門 家じゃないから詳しいことまではわからないけど、音が合わないというのとはちょっと違うんだけど、機械がまちが ってって来ちゃってミックスしてるときに、まるまる1日潰しちゃったとか、ゴタゴタは多かったようだね。 CDを出す予定は全くなかったけれど一応24チャンネルでは録っていたんだよね。で演奏終わってみてあんまりう まくはいってないけれど、聞いてみておもしろかったからじゃあ出しちゃおうって話が出てきた。だからほんとにオ マケ。聞いてみておもしろかったのというのは、そのときそのときの自分の気持ちがわりと素直に出されているのが見えたところだろうね。他のメンバーにして も、ああ、こういうふうな気持ちでやっていたのか、みたいなさ、即興的な音とかが改めてわかったとか、そういうことだね。 タイトルはたまたまつけたんだけど、俺が知り合いの家に遊びに行って偶然目に止まった言葉なんだよね。語呂っぽ いけれどもともとはさ、イギリスの詩人にディラン・トーマスっているじゃない、ボブ・ディランが名前をとったさ 、彼の詩の一節に『dumb numb thenderstorm』というのがあって、それはあとでわかったんだけど、そいつがいろんなところからいろんな言葉を抜書きしてたのからもらったんだ よね。まず1文字ずつしか違わないのが見ておもしろかったのと、意味を調べてこれはぴったりだと思ったからだね。 ライブをまたやるようになったのは、ライブがまたおもしろくなったから、としかいいようがないな。一時期あんま りおもしろくなかったのは事実でさ、俺の中での変化というのは近藤等則さんのIMAバンドでやってるのが大きい よね。あそこではフリクションと違うポジションにいるし、やってる楽器も違うじゃない。それはあるよな。 IMAバンドの中では俺はフロントマンではないのね。そこでプレイするといろいろと見えるわけだよ。楽器のバラ ンスとか音のまじありかたがね、流れの変化、とかがね。それで改めてフロントに立つと今までと違う見方がフリク ションに対しても見えるようになったんだとおもうな。 フリクションはほとんどワンマン・バンドなんだよね、俺の。だけど音楽は生き物だから、あれこれ指示しても出て 来るものはメンバーによって違うでしょ、何が出て来るのかわからないというところがおもしろく思えるようになっ たんだろうね。CDの最後に入れた『New Baby's』で、一回遅くなってまた速くなる箇所があるんだけど、そこなんか全然何も決めてなかったんだよ、だけどとてもうまくいったよね。ベースとド ラムだけが決まっていて、あとはヒゴくんとラピスがあそこでどういうことやってるか、注意して聞くとおもしろいよ。 フリクションを始めたころはさ、キライなものに対して歌っていたよね。10年経つうちにそういうキライなものは 少しづつ少なくなっていったのかもしれないね。いや、もしかすると全然減っていないのかもしれない、だけどそう いうものへの接し方が変ってきただけなのかもしれないな。 以前だと、オレはコレがキライだと、はっきり言わないと気が済まないところがあったな。3人集まるとそういう話 ばっかりだったからね。いいものがあることは大前提で、口に出さなくても良かったわけ。むしろ否定することでテ ンションを作っていたこともある。だけどそれは飽きちゃった。 それで今度は見方を変えてみようと思ってね。ここがいけないじゃなくて、ここはいいというふうに。そうすると今 まで見えてなかったものも見えて来るようになってね、ラピスやヒゴくんのプレイとかさ。俺の中でプレイが段々と おもしろくなってきたんだよね。だからまたライブやりはじめたわけ。純粋にプレイを楽しんでいると思うな、今のフリクションはね。 |
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